優秀病棟素通り科の初日公演を配信で観劇しました。
最近は福田さんへのリア恋まっしぐらだったので、役柄の設定やお姿に部屋を転がり回ったのは言うまでもなくなんですが。
忘れないうちに舞台の感想も残しとこうと思って!
重要な部分含めてネタバレしてます。
本当に感動した。
全部のシーンが好きだし、伏線も言葉も演技も演出もすごく良かった。
舞台の中でも好きなシーン、というか印象に残ったシーンがあって。
飯塚さんが1番死に近いシーンは単純には最初と最後なんだけど、私が見ていて飯塚さんに1番死の影を感じたのはコロンビアで「交差点が窮屈だった」話をカーネーション農家の人としている時で。
ここのシーンがいい。
「楽しさの土台が落ち着かない」に対して飯塚さんが「なるほど」と返した時、
「あぁ、この時に飯塚さんも心のどこかで自分の土台も落ち着かないことを感じ始めたのかな」
「もしくは今までも感じたことはあったかもしれないけど、他の人に明言されて腑に落ちたのかな」
とか思ったんですよね。
はっきりとではないにしろ、「なるほど」とあの空気感で言えるくらいには、自分の中にもその感情があることを無意識に自覚したのかなって。
「全体的に周りに気ぃ遣いすぎよ」って言われてるくらいだし、あの通り各方面から信頼されているし、幸せなんだけど無意識にちょっと窮屈さを感じてたのかな。
窮屈さを自覚して解放されたくて別の場所に行った人の話を聞いたことがきっかけになったのかな。
ちょっとネガティブな飯塚語録がこの話をする前から生まれていたとしたら、元々そういうことを感じやすい人なのかな……等と思いつつ、
いや、飯塚さんの人生の何場面かしか見てないし時系列も分からないから飯塚さんの性質なんて考察しようがないしナンセンスだ。とも思う。
そもそも他人視点だけ、自分視点だけ、で見てても自分の人生のことなんて分からないってことが主題なのだろうし。
でもなんせあのシーンは佇まいや表情、問いかけの仕方から全てに、飯塚さんが自死に至ろうとするまでの一つのきっかけが見えた気がしていて。
ラストシーンまで繋がる大事な伏線のこのシーンと福田さんの演技がとてもとても好きだなぁと思った。
現代を生きていて、「なんだか落ち着かない」「窮屈に感じる」「幸せだけどしんどい」人もいれば、どうしたってしんどい思いしてる人もいるし、何も自覚していない人だっている。
漠然とした不安に襲われた時にコロンビアに行ける人もいれば自死を選ぶ人だっている。
でもこの舞台ではそんないろんな人の想いを掬い上げていて、「そんな風に感じて生きているのはあなただけじゃない」と伝えてくれていて。
その上で、それでも、一人で命の見積もりつけちゃいけないと叱ってくれて、「どんな人もそのままでいてくれればいい」と言ってくれているようだった。
いい舞台を観たなぁ。
こんなすてきな舞台で人の心を動かす福田さんもすごいなぁ。
と、一新規オタクは思うのでした。
追記:アーカイブや別公演で何回か観ていて、「あぁ解釈違ったなぁ」「自分の感想安っぽいなぁ」とか思ったけど、これも初日の思い出ということでそのまま残しときます。